アニメ化決定!!『99回断罪されたループ令嬢ですが今世は「超絶愛されモード」ですって⁉︎ 〜真の力に目覚めて始まる100回目の人生〜』

  • 2025.07.06 DREピクチャーズ
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祝!アニメ化決定

『99回断罪されたループ令嬢ですが今世は「超絶愛されモード」ですって!?

~真の力に目覚めて始まる100回目の人生~』


原作・裕時悠示先生、イラスト・ひだかなみ先生、漫画家・甲斐ろはる先生の3名から

アニメ化に際してのコメントを公開します!



原作・裕時悠示先生より


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まずは感謝を述べたいと思います。


美麗かつキャラが立っている素晴らしいイラストを描いてくださるひだかなみ先生。

手に汗握る超絶面白いコミカライズを仕上げてくださる甲斐ろはる先生。


わざわざ富山まで来て声をかけてくださった、ドリコムの名物編集長である初代担当の小原さん。

担当を引き継いでくださり、今も様々な相談に乗ってくださる藤原さん。

漫画の担当編集の森さん。

その他、陰に日向にサポートしてくださるドリコム編集部の皆様。


ありがとうございます。


この方々との出会いがなければ、本作はアニメ化どころか、出版されることもなかったでしょう。


この「くくルプ」はとても数奇な運命を経てきた作品なのです。

アニメ化を機会に、その経緯を詳しくお話ししようと思います。

長い文章ですがどうかお付き合いください。


■成り立ちですって!?


まず自己紹介させてください。

原作者の裕時悠示と申す者です。

GA文庫というライトノベルのレーベルから2010年にデビューさせていただき、以来ぼちぼち書いてきました。

「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」(俺修羅)というアニメの名前は耳にされたことがある方もいるかもしれません。

その原作者です。


「バリバリの男性向けラブコメじゃん!」

「ていうかその親玉の一人みたいなやつじゃん」

「なんで悪役令嬢もの書いているの?」


──と、思われたかもしれません。

が、違うのです。

もともと私が書いていたのは、好きだったのは、女性向けだったのです。

新井素子先生のファンで「緑幻想」「ひとめあなたに…」「おしまいの日」などが大好きでした。

作風や文体にものすごく影響受けたと思います。

「マリア様がみてる」が好きで雑誌「Cobalt」を購読し、短編小説新人賞に投稿していたこともあります。

当時審査員だった花村萬月先生に褒めてもらった時は嬉しかったな……。

あの時いただいた言葉があるから今でも作家を続けていられます。


少女漫画を読むのも好きでした。

三つ下の妹が買ってきて付録だけむしって放置している「なかよし」「りぼん」をゴリゴリ読んでいました。

あさぎり夕先生「なな色マジック」柊あおい先生「星の瞳のシルエット」岡田あーみん先生「お父さんは心配性」などなど。

特に岡田あーみん先生のスラップスティックなコメディは、本作「くくルプ」にも強い影響を与えていると思います。


■令嬢ものですって!?


さて、そんな子供時代から一気に時代は飛んで、2020年ごろ。

世はまさに「大・web小説時代」を迎えており。

私もなろうなどの投稿サイトへの挑戦を始めていました。

ゼロからスタートしようということで名義を「丸山ひま。」として、いろんな題材に挑戦していました。


基準は「自分が面白く書けて」「みんなが読みたいもの」。

どちらか片方だけではダメなのです。

ただ流行に乗るだけでは、すぐに飽きられる。

かといってただ自分の好みを押しつけたって、多くの人には読んでもらえない。

人気商売であるライトノベル作家は、常にそのバランスのなかで生きています。


そんななか、私が当時好きになった作品が山口悟先生原作・ひだかなみ先生イラスト&コミカライズの「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」(以下「はめフラ」)でした。

カタリナ脳内会議の衝撃は今でも忘れられません。

なにより「はめフラ」を読んでいると、出るのです。

何が?

脳汁が。

「ああ、なんて面白い作品なんだ!」

この脳汁が出る感覚こそが、自分の創作のモチベーション、ガソリン、エンジンだったりします。


「令嬢もの、書いてみたい!」

「そもそも自分が書いていたのは、女性向けだったもんな」

「せっかくゼロからスタートするんだから、新しいジャンルに挑戦してみよう!」


ただ「はめフラ」で脳汁が炸裂したからといって「はめフラ」のように超面白い作品が書けるようになるかというと、もちろんそんなはずはありません。

世の中も作家の道もそんなに甘くはありません。

山口悟先生にしか出せない「味」=「強み」というものがあり、その強みがあるからこそヒット作であり、オンリーワンの「超・大名作」なのです。


私自身の強みを入れないと、ひとつの作品として面白くならないし、市場では戦えない。

ここが悩みの種でした。


■ループですって!?


さて、当然のことながら「悪役令嬢」ものは「はめフラ」だけではありません。

当時「小説家になろう」にも「アルファポリス」にも多くの作品がありました。

私がいろいろ読んでいくなかで、面白いと思ったのが「ループもの」。

雨川透子先生原作・八美☆わん先生イラスト・木乃ひのき先生コミカライズの「ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」のように、複数回のループを押し出す作品もありました。

これもまた、非常に血沸き肉踊る作品で、男性の私にも楽しめる作品のひとつです。

悪役令嬢&ループものでひとつ書いてみよう、ということに決めました。


そこで、私は考えました。


「ほいじゃあ……自分は99回くらい……ループさせとくか!」


小学生みたいですね。


「俺サマは指先ひとつで地球を百個破壊できる」「じゃあ俺ちゃんは千個!」みたいなノリで、ループ回数は99回に決まりました。

後日、編集部の方から「この99回という数字には意味があるのですか?」と真顔で聞かれ「えっあっ……その……ご、語呂が良くて……」という言葉をようやく絞り出したのを冷や汗とともに思い出します。


99回生き残ってるヒロインですから、キャラ造形はともかくパワフルに!


(そもそも99回殺されたら、人間はどうなるんだろうか?)

(たぶんもう慣れちゃって、どんな悲劇も喜劇にしか見えなくなるだろうな)

(皇子達からいくら溺愛されても「今日もいいお天気ですね!」くらいにしか思えなくなるだろうな)


――というところから、本作の方向性は決まりました。


どんな悲劇も喜劇に変える!

悲しみの涙も笑いの涙に!

溺愛も熱愛も次期皇妃の座もゴミ箱にポイ! して自由を求めて駆け続ける。

炎の令嬢・アルフィーナ・シン・シルヴァーナは、こうして誕生しました。




さて、ヒロインが決まったら、次はそのライバルとなる「聖女」です。

まあ、こいつはね……。


「ッシャッシャッ!」


今夜の獲物を見つけた山姥の奇声、ではありません。

これが「くくルプ」の聖女、デボネア・ルア・ライトミストの笑い声なのです。

ちょっとでも興味をもたれたら、ぜひ、原作でもコミカライズでも読んでいただけると嬉しいです。

あなたの想像の百倍くらい悪辣な聖女が見られます。


さて、こんな感じで書かれて、web投稿された「くくルプ」。

「小説家になろう」「アルファポリス」では、ありがたいことに高順位・高評価を頂くことができました。

ただ……その……大変申し訳ないことに、当時抱えていた仕事が忙しくなって中盤でエタらせてしまったため、そのまま特に何事もなく。

この作品は埋もれていくんだな……と、儚んでおりました。


ところが、運命は数奇なもので。

東京から遠く日本アルプスを隔てた北陸の地で、99回断罪された令嬢のお話は、再び動き出すのです――。



■書籍化ですって!?


2021年・冬。

コロナ渦があり、東京から故郷の富山県に引っ越していた私です。


そんな折り、旧知の編集者であるドリコムの小原さんから連絡をいただきました。

富山にわざわざいらっしゃるとのこと。

最初は「富山の美味しいお寿司を食べに来るのかな?」くらいにしか思っていなかったのですが、お話しを伺ってみて驚愕しました。


「新規レーベル『DREノベルス』を起ち上げるにあたり『99回断罪された悪役令嬢』を書籍化したいです」


うおお! マジですか!!

あの、ヒロインが自分の入る予定の棺桶を蹴っ飛ばしたり、隣国の王太子が歌って踊ったり、聖女が「まだだ……まだ笑うな……」と某新世界の神みたいなことを言い出す拙作を書籍化ですか!


よくよく話を伺ってみますと、経緯はだいたい以下の通り。


「そもそも、なろうで読んでた」

「声かけようかと思ってたらエタッたから残念だった」

「丸山ひま。って誰だろう、と不思議だった」

「とあるツテで、裕時悠示さんの別名義だと知った」

「んじゃまあ、声かけてみっか!」→富山へ


この「とあるツテ」について詳しく話すと、私の別作品「アンタと幼なじみってだけでもイヤなのに!」(コミカライズ:とうのきり先生。原作イラスト:藤真拓哉先生)誕生の話になってしまうので割愛しますが、ともかく、書籍化していただけるならこんなに嬉しいことはありません!

もちろんOKさせていただきました。


「ただ、書籍化の場合、加筆してもらう必要がありますが……大丈夫ですか?」


なるほど、これを確認するために、わざわざ富山に来てくれたんだなと思いました。


小原さんは今や業界でも有名なヒットメーカーであり辣腕家です。

しかし、こういうところは変わってない。

「大事なことは必ず会って確認する」という基本を徹底するのがすごいなあ、と思います。


私にとってさらに嬉しいのは「新しいレーベルのトップバッターを務められる」という点でした。


私がデビューしたのは「第2回GA文庫大賞」からです。

そう、第2回なんです。

第1回ではないのです。

ずっと憧れだったのです。

これから歴史を作る新しいレーベルの、一番槍になりたい。

そしてできれば「建国の元勲」になりたい!


「ずっと一番槍に、建国の元勲に憧れてたんですよ!」


今にして思えばわりと意味不明なことを鼻息荒く力説する私に、小原さんは怪訝な顔をしつつ頷いてくれたのでした――。



■ひだかなみ先生ですって!?


さて、そんな感じで書籍化作業を進めていた「くくルプ」。

イラストレーターがなんとひだかなみ先生にお願いできることに決まり、私は世界一幸せな作家状態になりました。


私がひだか先生のイラストを好きなポイントはいくつもあるのですが、ひとつ挙げさせていただくとすると「古き良き少女漫画の血統」を令和に受け継ぐ正統派のイラストレーターであると、私には思えるからです。

冒頭でお話しした通り、私のルーツは「古き良き少女漫画」にあるので、やっぱり「くくルプ」にもそういうところは滲んでいるだろう、であれば、ひだか先生のイラストがぴったりなんじゃないかなと。

画風だけでいえばそれに近い描き手はいらっしゃるかもしれませんが、ひだか先生のイラストからはとりわけ真摯さと誠実さが感じられて、そういうところも「正統の系譜」を感じるのです。


「ある意味、令嬢ものとして『邪道』な本作は、正統派のイラストが合うのかも……?」


そんなひだか先生が挙げてくださったデザインはどれも珠玉なのですが、強く印象に残っているのが聖女のデザインでした。


「うおお、聖女だ……」


おそらく、多くの方が「聖女」と聞いて思い浮かべるビジュアルに近いのではないでしょうか。

シンプルめのデザインでありながら、強く印象に残るキャラクター。

「何も引かない、何も足さない」というデザインとはこういうものか!





■コミカライズですって!?


そんな感じで刊行された「くくルプ」は、おかげさまで「即重版」を成し遂げることができました。

いよいよコミカライズの始動です。


ここで登場するのが、漫画編集者である森さんです。

古くは「俺修羅」コミカライズの時からお付き合いのある編集さんで、パワフルかつノリがよく、15年前からずっとエネルギーを持続させている脅威の人です。

最新のインプットを怠らない勉強家でもあります。


その森さんが連れてきてくださったのが、甲斐ろはる先生。

過去作を読ませていただいて、「読みやすい漫画を描かれる方だな」と好印象を持ちました。

漫画も小説も「読みやすい!」は七難隠すと言われています(自分調べ)。

甲斐ろはる先生ならきっといい感じにしてくださるだろう、とお願いすることになりました。


しかし、この時はまだ、私はよくわかっていなかったのです。

甲斐ろはる先生の漫画ぢからを――。


1話目があがってきた時、原作者チェックを依頼するメールにて小原さんが「漫画が上手い!」と唸っておられました。

原稿を見て「うん、納得!」

原作にあった漫画的表現が、さらに漫画的にコミカルかつ「刺さる」感じで表現されています。


たとえばこのシーン。




小説の地の文で書かれた内容を、ビジュアルで表現するのが、すごく上手い!

「ひと目で読者に刺さる!」という、文字ではどうしても成し遂げられないことを、このコミカライズは見事に成し遂げていただけたのでした。


甲斐ろはる先生や森さんのおかげで、漫画は想定を上回る大ヒットとなりました。

「単行本が発売されてから漫画サイトのアクセス数が激増した結果、伸び率が2000倍とかで対魔忍みたいになってます」という小原さんのコメントが未だ印象に残っています。

「ピッコマ」「コミックシーモア」などのマンガ配信サイトでも軒並み高順位を獲得し、本作は「令嬢ものコミック」ファンの方々にも受け入れていただくことができたのでした。


その後、担当は小原さんから藤原さんに引き継がれました。

担当変更は作家にとって不安が付きまとうものですが、藤原さんは逐一丁寧に報告してくださるし、相談にも乗ってくださるので、非常に助かっています。

特に原作3巻は、藤原さんの力なくしては刊行することはできなかったでしょう。

コミカライズが同時進行することもよくある昨今のラノベ業界において、この「報連相は確実にする」ということが、何より安心して仕事ができる重要な要素なのです。

そしてそれは簡単なことではなく、複数の作家、複数のコミカライズが動いている中でそれらを確実に行える方は、業界にそう多くはないのです。

またも、私は「人に恵まれた」のでした。



■アニメ化ですって!?


そして月日は巡り――。

私は再び東京に戻ってきました。


秋の某日。

限りなく目黒に近い渋谷の焼き肉屋さんで、私はデビュー当時から様々な作品で大変お世話になった方と再会しました。この方も様々な出来事を乗り越え、今はドリコム出版部門の立役者にまでなっている方です。


「いやー、おひさしぶりっす! 今日はどうされたんですか?」

「くくルプ、アニメ化します。おめでとうございます」

「――――」


真実は神話(テーバ)よりも奇なり、という言葉があります。

「くくルプ」のとある重要人物の言葉ですが、私はその言葉を思い出さずにはいられませんでした。


「くくルプ」はいろんな巡り合わせ、組み合わせによって世に出て、大きくなっていった作品です。

ネットの片隅で生まれ、消えていくだけのはずだった作品が、様々な出会いによって世に出て、さらに世界じゅうに広がっていくことにとても奇妙な感覚を覚えます。


ここまで読んでくださってありがとうございました。

私と一緒にアニメというお祭りを楽しんでいただけると嬉しいです。


最後に、あえて自分で言います!


「くくルプ」アニメ化、おめでとうございます!!!!!


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イラスト・ひだかなみ先生より


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くくルプアニメ化、おめでとうございます! 

裕時先生によって生み出される魅力的なキャラクター達とわくわくするストーリー、

絶対にアニメ映えする!見たい!と思っておりました。 

いつも作品を応援して下さっている皆様や、アニメ化のお知らせをきっかけに知って下さった皆様と一緒に公開されるその日を楽しみに待たせて頂きたいと思います。



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漫画・甲斐ろはる先生より


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くくルプアニメ化おめでとうございます! 

裕時悠示先生の明朗快活なストーリー、ひだかなみ先生の華やかなキャラクターたちの魅力を多くの方に知ってもらいたくて漫画を描いてきました。 

ここに色がついて格好良く動いてくれたら...この台詞に声がついたら...もっと良さが伝わるのに!と、もどかしさを感じていたところにアニメ化のお話が! 

アルフィーナの燃えるような赤い髪がアニメで躍動する姿を観るのが今から楽しみです。





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