『幼女戦記』カルロ・ゼン、戦慄と共感を覚える『汝、暗君を愛せよ』熱烈推薦!
本条謙太郎氏が手がける政治戦記『汝、暗君を愛せよ』の発売を記念して、『幼女戦記』の著者 カルロ・ゼン先生の寄稿文を公開!
「小説家になろう」連載時から本作を読まれていた先生からの熱いエールをご紹介いたします。
『幼女戦記』カルロ・ゼン氏から熱烈エール!
汝、暗君を愛せよの話をするのは、本当に楽しくて辛くて怖い。一瞬で矛盾して申し訳ないんですが、素面でこれを語るのは勇気がいる。そういう作品です。
一言で済むならば、好き! だけで済ませたい。それでも一生懸命不器用に語るならば、これは、人の限界を受け入れる物語。
だって、人は、何ができるか? で英雄になるとは限りません。
人は、何をしないのか? でマシな人間になることもできる。
端的に言いましょう。等身大のよき人のための物語です。楽しいよ!
普通であれば、もうちょっと、保険を掛けたり、ブレーキを踏んだり、社会人や組織人のコスプレをするんですが、アクセルがん踏みで書いちゃいましょう。
もし、デビュー前に読んでいたら、筆を折っていたかもしれません。
僕は、それほどに、『汝、暗君を愛せよ』が大好きで、死ぬほど怖くて、尊敬していて、やりやがったと驚愕していて、なんていうか、情緒がズタボロになるレベルで、刺さりました。
言葉を選ばなければ、これこそが、文字のAPFSDSです。
とにかく刺さる。
こんなものを、読み手として、ゼロ距離射撃されるとか……。著者からの殺意があまりにも明白で、この急迫不正の侵害に対し、生き残るために先制自衛権の行使を真剣に検討せざるを得ない。
なにより怖いのは、著者は、悪意はおろか、敵意すらなく、純粋な工夫のみで、それらを成し遂げています。ただ、それだけで、あまりにも強烈な殺意にこちらはすくみ上るしかないのですが。
あえて言うならば、『汝、暗君を愛せよ』はフレンドリーな象さんです。
ニコニコと親し気に近寄ってくる何か。
遠景で眺める分には、結構なことですね。
現物が目の間に立ち、『よろしくね』と一歩近寄ってくるだけで、踏みつぶされる恐怖で逃げ出したくなりますが。
恐怖に震えあがって、我を取り戻せば直ちに周囲に警告を飛ばしますよ。
『とんでもない怪物が来るぞ!!!』と。
『カルロ君は大げさだなぁ』なんて笑う同業者は一人もいませんでした。
この業界で生き残っている人間が、面白さの怪物を見間違って生き残れるとは思えませんから、当然といえば当然のことです。
心にAPFSDSをぶち込まれる作品を相手に、『大げさだなぁ』なんて、どう笑えと?
そんな怪物が、創作という世界に足を踏み入れます。
エンタメではあるのです。面白くもある。
こんなのがライバルで新規参入してくる世界でもなければ! なんて時代だ! 売れなかったら、編集部の責任だと思います。それ以外にないです。そういうことを断言できる作品です。
良ければ、ぜひ、ご一読ください。
一言で済むならば、好き! だけで済ませたい。それでも一生懸命不器用に語るならば、これは、人の限界を受け入れる物語。
だって、人は、何ができるか? で英雄になるとは限りません。
人は、何をしないのか? でマシな人間になることもできる。
端的に言いましょう。等身大のよき人のための物語です。楽しいよ!
普通であれば、もうちょっと、保険を掛けたり、ブレーキを踏んだり、社会人や組織人のコスプレをするんですが、アクセルがん踏みで書いちゃいましょう。
もし、デビュー前に読んでいたら、筆を折っていたかもしれません。
僕は、それほどに、『汝、暗君を愛せよ』が大好きで、死ぬほど怖くて、尊敬していて、やりやがったと驚愕していて、なんていうか、情緒がズタボロになるレベルで、刺さりました。
言葉を選ばなければ、これこそが、文字のAPFSDSです。
とにかく刺さる。
こんなものを、読み手として、ゼロ距離射撃されるとか……。著者からの殺意があまりにも明白で、この急迫不正の侵害に対し、生き残るために先制自衛権の行使を真剣に検討せざるを得ない。
なにより怖いのは、著者は、悪意はおろか、敵意すらなく、純粋な工夫のみで、それらを成し遂げています。ただ、それだけで、あまりにも強烈な殺意にこちらはすくみ上るしかないのですが。
あえて言うならば、『汝、暗君を愛せよ』はフレンドリーな象さんです。
ニコニコと親し気に近寄ってくる何か。
遠景で眺める分には、結構なことですね。
現物が目の間に立ち、『よろしくね』と一歩近寄ってくるだけで、踏みつぶされる恐怖で逃げ出したくなりますが。
恐怖に震えあがって、我を取り戻せば直ちに周囲に警告を飛ばしますよ。
『とんでもない怪物が来るぞ!!!』と。
『カルロ君は大げさだなぁ』なんて笑う同業者は一人もいませんでした。
この業界で生き残っている人間が、面白さの怪物を見間違って生き残れるとは思えませんから、当然といえば当然のことです。
心にAPFSDSをぶち込まれる作品を相手に、『大げさだなぁ』なんて、どう笑えと?
そんな怪物が、創作という世界に足を踏み入れます。
エンタメではあるのです。面白くもある。
こんなのがライバルで新規参入してくる世界でもなければ! なんて時代だ! 売れなかったら、編集部の責任だと思います。それ以外にないです。そういうことを断言できる作品です。
良ければ、ぜひ、ご一読ください。
《2025年8月6日(水)発売予定》
『汝、暗君を愛せよ』
著/本条謙太郎 イラスト/toi8